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2009年05月27日

党首討論における与党議員の反応にいだく懸念

 3時から参議院で行なわれた、自民党・麻生総裁(首相)と民主党・鳩山由紀夫新代表との党首討論が終りました。時間がありましたので、NHK総合テレビの生中継を見ていました。「現政権による官僚中心主義の政治が、避けがたい弊害が随所に現れる原因となっていて、これを変えなければならない」というのが鳩山代表の主張でした。
 
 それに対して麻生首相の方は、現政権がどんなポリシーで政治を行なっているか、明確な主張が無く、鳩山代表が例として挙げた指摘に個別に答えるのみに終りました。おそらく麻生太郎という人はリーダーに必要とされる大局観というものを持ち合わせていないのでしょう。
 
 
 討論の内容は明朝の新聞などにも掲載されると思いますので、詳しくは述べませんが1点だけ触れたいと思います。鳩山代表が政治のビジョンとして掲げた「友愛」について、麻生首相が具体的な施策について質問した時の鳩山代表の答えです。

 
 鳩山代表は東京・三鷹小学校の例を挙げて答えていました。三鷹小学校では、教師の他に200人のボランティアがいる。一人の教師に3、4人のボランティアが付いて、授業を補助する。(授業について来れない子供をボランティアが補助することにより、すべての生徒が落ちこぼれることがないようにする取り組みである。単に生徒や学校にメリットがあるだけでなく)ボランティア自身も満足というものを得ている、というような発言内容だったと思います(注:カッコ内の文章は私が付け加えたものです)。
 
 私が印象に残っているのは、鳩山代表がこの話をしている時の与党議員の反応です。党首討論の議場には、麻生、鳩山両党首の後ろに与野党双方の議員が控えていました。三鷹小学校の例について鳩山代表が話している時、与党議員から激しいヤジが飛びました(本当にうるさいほど飛びました)。鳩山代表が使われなければ、私の中に「冷笑」という語彙は見つからなかったでしょう。
 
 2009年2月10日(火)に放送されたNHK総合テレビ「クローズアップ現代 才能を開花させよ発達障害児」という番組で、日本および諸外国における教育現場の新しい試みが紹介されました。鳩山代表が挙げた三鷹小学校(一般学級)の例とは異なり、発達障害児支援の現場の例です。イギリスのある学校の例として、17人いるクラス担任に加えて、新たに専任のコーディネータ2人と23人の学習支援員を採用し、成果を挙げているという例です。他にもいくつかの例が紹介されました。
 また同じくNHK総合テレビ(関東地方など首都圏)で2009年2月27日に放送された「特報首都圏」でも、団塊世代の教師の大量退職、東京への子供の流入増加傾向などにより、東京で教師が不足している問題について放送されました。教師希望者を地方から獲得して、育てる取り組みです。
 
 鳩山代表の話を「冷笑」した与党議員が、上記のような番組を見ていなかったとしても、議員でありながら一所懸命さが足りないと言って責めるつもりはありません。しかし、政治家として当然、承知し、理解しているべき事柄です。もちろん、正規の教師に補助員をつけることで、多くの生徒が学習内容を理解できることに大きな効果があることぐらい知らないハズはありません。与党・野党という立場の違いから、野党の代表である鳩山氏の議論にヤジを飛ばさざるを得なかったというのなら理解できます。
 
 私が懸念しているのは、「冷笑」という反応を示した多くの議員の中に、本当にこのようなことを知らなかった(初耳だった)り、価値を見出さない議員が少なくなかったのではないかということです。同じ与党議員でもいいし、野党議員、あるいは秘書でも議員の家族、友人、どなたでも結構ですので、少なくとも、三鷹小学校の例などに対する見識を持つ(予め見知っておく)よう、助言してあげてください。
 
 
 2009年5月29日 追記) いつもブログを拝読させていただいているまんまるさんも、鳩山さんが語った三鷹の小学校のボランティアの話に注目されていたようです。
 
  ・居場所(おきらく)

 
 
--- 関連情報 ---
(1) 故きを温める(古典に親しむ)(1)-『論語』から 2008年10月28日 IT屋もりたの今時パソコン日記
(2) 故きを温める(古典に親しむ)(2)-『墨子』から 2008年10月31日 IT屋もりたの今時パソコン日記
(3) 政治空白3 2008年11月13日 IT屋もりたの今時パソコン日記
(4) 起こるべくして起きた中川財務・金融大臣の泥酔会見 2009年02月17日 IT屋もりたの今時パソコン日記

投稿者 もりた : 2009年05月27日 16:57 このエントリーを含むはてなブックマーク この記事をクリップ!

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コメント

政治家が、まして各党の党首が国策を論じてる場で、
ボランティアを頼みにしたような例が具体的な施策ですか?
人の善意、ボランティア精神、そんなものは生活を豊かにしこそすれ、
当てにしたり、政策に見込むものではありません。
国がボランティアを指揮すれば、それは無償労働の強制と変わるところがありません。

投稿者 北澤 : 2009年06月21日 22:29

 
 北澤様、はじめまして。コメントありがとうございます。
 
> 政治家が、まして各党の党首が国策を論じてる場で、
> ボランティアを頼みにしたような例が具体的な施策ですか?
> 人の善意、ボランティア精神、そんなものは生活を豊かにしこそすれ、
> 当てにしたり、政策に見込むものではありません。
 
 あの日(麻生・鳩山 第1回目)の党首討論では、麻生首相の方は具体的な施策の方に、鳩山代表の方は国の進むべき道筋を示すという、政治家、なかんずく総理大臣の役割の方に論を進めようという、それぞれの思惑に沿って、進んでいたと思います。
 
 その前提で考えてみても、三鷹にある小学校のボランティアの例を鳩山代表が具体的な施策の例として話したのならば、北沢様のおっしゃる通りだと思います。
 
 
 私は鳩山代表が三鷹の小学校の例を挙げたのは、道路や新幹線といった「モノ」を政策の中心とした政治から、医療・教育・介護、ITサービスといった「人」に政策の重心を移す政治が民主党の目指す政治だということを、自公との対比において(党首討論を見ているテレビの視聴者に対して)際立たせることを意図した結果だと、理解しました。
 
 
 ちなみにこの例に関する具体的な施策として私自身は、小中学校の正規の職員(先生)を増やすことに優先的に予算を配分することが非常に重要であると思っています。今、学校の現場では、地方自治体の財政難の影響によって、正規の先生の数が少しずつ減っているそうです。
 
 一方、父兄や(面と向っての要望は少ないが)生徒自身から、あるいは地域社会などから学校に期待する役割の増加により、生徒一人ひとりに対する従来にも増してきめの細かい対応が先生に求められているそうです。先生の仕事量、その仕事をこなすために必要とする時間は増大の一途をたどっている。それゆえ先生を増員しなければならないのに、実際には減少している、そのため(臨時講師を雇える自治体は)臨時講師でしのいでいるという状況があるそうです。
 ところが臨時講師さんに支払われる報酬は1ヶ月20万円にも満たない、また契約は短期(数ヶ月単位)のためいつ仕事がなくなるか分らない。それでは生活がなりたたないため、臨時講師さんの多くは塾講師のアルバイトをするといった具合で、臨時講師さん(非正規の学校職員)の多くが毎日長時間の労働を余儀なくされているということです(以上、主に2009年2月27日にテレビ(NHK総合)で放送された「特報首都圏」の番組に拠っています)。
 
 
 あの日、鳩山代表の話を聞いた時、ボランティアの話と、以上述べた正規職員増員の件とが私の頭のなかでごっちゃになっていたことも事実です。

投稿者 もりた : 2009年06月21日 23:48

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