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2008年10月28日
故きを温める(古典に親しむ)(1)-『論語』から
読書週間にちなんでというわけではありませんが、本(図書)についてのエントリーです。本業であるIT関係やビジネス書であるかそうでないかの区別なく、本を読むのは嫌いではありません。このブログを始めた時から「本(Books)」というカテゴリーを設けたのも、その表れでしょう。
次々と出版される新刊のタイトルに惹かれて、この30年の間に様々な本を買い求めてきました。その結果、アルビン・トフラー(買っただけでほとんど読んでいない)や大前研一、最近では『フラット化する世界』(トーマス・フリードマン著)、上杉隆といった人物の思想に出会うことが出来、私自身の生き方・考え方に少なからぬ影響があったと思っています。
最近は、ブログの影響で新刊を購入することが多くなり、それはそれで新しい情報や考えに出会う機会が増えて良かったのですが、「何か違うな」という感覚を、ここ数年ずっと持ち続けてきました。
この春から市内にある文教大学のキャンパスで、週一回の公開講座に参加しています。受講証をいただいたことで大学の図書館にも入りやすくなりました。館内で本棚に並んだ古今東西、森羅万象を網羅したかのような書物を目の前にしてヒントを得ました。
「そうだ、古典を読んでいない」
9月のある日、何を読もうかと考え、人類の過去の名著・古典をノートに列挙してみました。
「聖書」
「論語」
「源氏物語」
「資本論」
浮かんできたのはこれだけでした。如何に自分がものを知らないかということを認識できただけで、現状は良しとしなければなりません。とにかく読み始めることにして、最初に選んだのが『論語』です。
● 論語 為政第二 19
[原文]
哀公問曰、何爲則民服。孔子對曰、擧直錯諸枉、則民服。擧枉錯諸直、則民不服。
[読み方]
哀公問うて曰く、いかんせば民服せんと。孔子こたえて曰く、直きを挙げてこれを枉れるにおけば民服せん。枉れるを挙げてこれを直きにおけば民服せざらん。
[解釈(現代語訳)]
「すべて正直な人物を不正直な人物の上役に抜擢すれば人民の支持がえられる。逆に不正直な人物をぬいて正直な人物の上役にすると、人民の支持を失うから、よく注意しないといけない。」
出典:[原文]は『全釈漢文大系 第一巻 論語 平岡武夫(著) 集英社』昭和62年9月10日 第5刷による。[読み方]、および[解釈(現代語訳)]は『諸子百家 貝塚茂樹(著) 岩波新書』1961年12月25日 第1刷、1985年9月20日 第33刷による。
高校の時、古文と漢文が大の苦手だった身にとって、原文を読むことは不可能ですので、先ず貝塚茂樹氏の『諸子百家』(岩波新書)にあたり、その後、原文を「見る」ようにしています。申し上げるまでもなく、『諸子百家(1961年 第1刷)』自体が、『孔子(1951年 第1刷)』と並んでもはや古典と呼んでもいい貝塚茂樹さんの著作です(ともに岩波新書)。今回初めて読みましたが、その解釈(現代語訳)の新しさ、解りやすさは半世紀前のものと思えません。
中国の戦国時代、魯国の君主・哀公から人民の支持を得たいと相談された孔子が答えた言葉だそうです。上記の文を読んだのが、麻生新内閣の閣僚である前・国土交通大臣が辞任した直後でした。再三再四にわたる暴言・失言の末の後でしたので、真を衝いた孔子の言葉の鋭さに舌を巻いたのが正直なところです。とても三千五百二千五百年前(2008年10月31日 訂正)に生きていた人の言葉とは思えません。
--- 関連情報 ---
(1) 文教大学越谷図書館 2008年05月26日 IT屋もりたの今時パソコン日記
(2) NHK「私の1冊 日本の100冊」 2008年10月27日 IT屋もりたの今時パソコン日記
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