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2008年06月29日

小林多喜二著「党生活者」読了

今ブームの小林多喜二著「蟹工船・党生活者」(新潮文庫)。表紙は初版本「蟹工船」(戦旗社版)より
 先日半分(収録2作品中の1作品)まで読み終えた新潮文庫「蟹工船・党生活者」(小林多喜二・著)の後半の作品「党生活者」を読み終えた。この作品は1932(昭和7)年、当時非合法であった日本共産党に身を置いていた著者自身の体験に基づいて書かれている。
 
 “この小説の主人公である「私」は小林自身の地下生活者としての体験にもとづいて描かれている。これより先小林は1931年の秋日本共産党に入党し、主として文化運動の指導に参加していたが、翌1932年の3月から4月にかけて、プロレタリア文化団体への大規模な弾圧があり、その多くの指導者が奪われてから、彼は宮本顕治らとともに非合法的生活にはいることを余儀なくされた。・・・”(新潮文庫「蟹工船・党生活者」 解説 蔵原惟人 より引用

 
 戦前に書かれた作品とは思えない平易な文章で、よく解り、スラスラ読めた(新潮文庫による、仮名づかい・字体等、表記に対する配慮の効果が大きいと思う)。その割りに時間がかかったのは、専ら私の読書力(?)の弱さが原因である。ここで再び文芸評論家・蔵原惟人氏による解説より、その末尾部分を引用したい。
 
 “小林のこれらの作品はその若干の欠陥にもかかわらず、日本の新しい国民文学の古典として高く評価され、日本の民主化のためのたたかいがいかに困難な道をたどって来たかということを知るためにも、ひろく国民全体に読まれるべきものであると思う。”(出典:同上
 
 
 この解説文に触れ、私の中に数十年前の記憶がよみがえる。ここで私の政治的立ち位置について述べる意図は毛頭無いが、話の流れを敢えて止めずに書きたい。私が10代後半、未だ高校生か予備校生だった頃、新聞折込の共産党のちらしに、ある推薦者(誰かは忘れた)の言葉があった。その中にあった「(日本共産党は)日本で最も民主的な政党(である)」というフレーズが強く私の中に刻まれた。
 
 人はよく、未だ言葉として熟成されていない、自分でも無意識(意識の底に眠っている)の考えを、言葉として目の前に見せられるという経験をすると思う。上記の経験は、そんな感じだった。以来、選挙権を得てから10数年は日本共産党の候補者に投票することが多かった。赤旗しんぶんはとっていなかったが、消極的な意味で日本共産党支持者であったと思う。その後、いつの頃からかは分らないが、社会党の候補者や新進党など、選挙によって投票する政党は一定していない。最近は民主党に投票する機会が多いが、いわゆる“無党派層”を自認している。

 この本の名前は、中学か高校の日本史の教科書に出てきたと思う。今はどうか知らないが、少なくとも私たちの時代はそうだった。現在の民主主義の根幹の一部を理解する上でも、この古典的名著を読むべきであると思う。50の声を聞いて初めて読んだ私が言うので、説得力はあまり無いとも思うが・・・。
 
 
--- 関連情報 ---
(1) 小林多喜二著「蟹工船」読了 2008年06月20日 IT屋もりたの今時パソコン日記

投稿者 もりた : 2008年06月29日 23:01 このエントリーを含むはてなブックマーク この記事をクリップ!

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