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2008年06月20日

知ることから始まる - 有田芳生さんと服部真澄さんの対談から

 昨夜は有田芳生さんと服部真澄さんの対談を聞きに、神田すずらん通りにある東京堂書店へ行ってきました。学生時代(中央大学理工学部)にこの辺りをよく歩きました(立ち読み?)。
 
 この日は服部さんの新刊「ポジ・スパイラル」(光文社)に関して、「世界はだいじょうぶ。明日をあきらめないで!」というタイトルで、有田さんと2時間にわたる対談でした。
 
  服部真澄さんとの対談(有田芳生の『酔醒漫録』)
 
 最近読んだ本について作者ご本人のお話が聞けるということで、迷うことなく申し込みました。こういうところに参加できるのは、東京など大都市圏内に住んでいる者の特権のような気がしますので、参加できない遠くの方々の分も含めて積極的に参加するようにしています(以前はそうでもなかったのですが)。
 
 
 この日は有田さんの質問に服部さんが答えるという形で、たくさんの幅広い方面に話が及んだのですが、お二人のお話で特に印象深かったことを1つずつ挙げます。
 
 服部さんが、六浦湾における成功例(12年前に川の流れを海に向けて開いた結果、ここ数年前から稚魚がここから東京湾に泳ぎ出している)を挙げて、「小説の方が大袈裟」とおっしゃったことです。「ポジ・スパイラル」の中で‘X’を使って有明海の水門を開ける話を持ち出すまでもなく、夢と思われていたことが現実に出来ている、(小説で)こんなに大袈裟にしなくても、(現実の世界でも)ある程度出来ることは多いと思う、とおっしゃったことが最もインパクトがありました。
 
 先月の有田塾でお話をお聴きした時にも感じましたが、服部さんは楽観的、それこそポジティブな方だなという印象を強く持ちました。夢や目標に向って現実の問題に対峙する時の強い姿勢そのものが、私とは対照的ですので、返って強く感じられたのかもしれません。
 
 
 有田さんからは、これからの日本は環境や福祉・医療中心の産業構造に変えていかなければならないのではないか、というお話が最も深く残りました。100年後日本の人口は4,459万人になるという国立人口問題研究所の予測をもとに、すでにいろいろな場面で顕在化している矛盾(介護の仕事に従事している若い人の給料が12時間で月13万円、朝6時半から夜12時まで働いている研修医と朝8時頃から午後5時頃まで働いている医師の給料が同じ、等々)。戦後の政策の延長線上でものを考えていることの限界を教えていただきました。50年、100年先を考えることの出来る人が政治の世界に必要であると、本当にそう思いました。

 上でも述べましたが、服部さんのお話をお聴きするのは今回で二度目です。また服部さんの小説も先日読み終えた「ポジ・スパイラル」に続き、二冊目(「エクサバイト」(角川書店))を現在読んでいるところです。いつものことながら読むのが遅くて未だ数十ページのところです。
 
 服部さんの作品もほんの少ししか未だ読んでいませんが、夢や目標をあきらめないで、夢と現実(問題)とのギャップを埋める第一歩は、対象(現実、問題)を知るところから始まるということです。「バカラ」という小説では、日本では賭博で失敗した人に対してさえセーフティーネットがある、ましてや事業の失敗ならなおさら、そのようなことを知らずに自殺や一家心中を選んだ事件報道を見るにつけ、そのような方法があることを教えてあげたい、作品を書かれた背景にそういった動機もあったというお話も、昨夜されていました。
 
 まだまだ世の中知らないことだらけ、私自身最近つくづく感じます。知ることから始まる、知ることによって次に見えてくる新しい選択肢も変わってくる、ということを教えていただいたような気がします。
 
 
--- 関連情報 ---
(1) 服部真澄著『ポジ・スパイラル』読了 2008年06月08日 IT屋もりたの今時パソコン日記

投稿者 もりた : 2008年06月20日 14:18 このエントリーを含むはてなブックマーク この記事をクリップ!

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