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2008年06月15日

デジタルサイネージとIPTV(2) - IMC Tokyo 2008/Interop Tokyo 2008から

 今週開催されたIMC Tokyo 2008Interop Tokyo 2008において、私が最も関心を寄せたのがデジタルサイネージとIPTVであるということを1つ前のエントリーでお伝えしました。前のエントリーではデジタルサイネージについて簡単に触れました。
 
  デジタルサイネージとIPTV(1) - IMC Tokyo 2008/Interop Tokyo 2008から(IT屋もりたの今時パソコン日記)
 
 
 ここではIPTVについてご紹介します。IPTV(Internet Protocol Television)とは、インターネット(IPネットワーク)を介して視聴できる映像サービスのことです。IPネットワークを介してと大ざっぱな言い方をしましたが、利用形態としてより従来のテレビのイメージに近い「IPマルチキャスト放送」と、インターネットを利用した映像配信サービスなどがあるようです。
 
 既にサービス開始している事例として、前者にはGyao NEXTacTVila(アクトビラ)ひかりTV等、後者の例は数限りありませんが代表的なものにGyaoYahoo!動画brancoなどがあります。今回のInteropでもNTTコミュニケーションズのブースに於いて、ひかりTVの展示を見ることができました。
 
  Interop Tokyo 2008(IT屋もりたの今時パソコン日記)
 
 
 以上のようにIPTVのサービスや製品化の流れは本格化前夜の様相ですが、今後2011年に向けてさらなる普及が見込まれます。何故2011年かというと、ご存知の通り、地上デジタルテレビジョン放送への完全移行(地上波アナログテレビジョン放送は終了)が2011年7月24日に実施されるからです。
 
 2~3年後のIPTVの普及に向けて重要なことは、しっかりした技術基盤や充分な実験に裏打ちされたサービスや製品を作っていくことと、オープンな技術規格を作ることです。これらについて、IMC Tokyo 2008 専門コンファレンスの中で12日に行なわれた2つのセッションが非常に参考になりました。
 
  ・S2-4 IPTV元年! 新しいメディアにするために(NTTサイバーソリューション研究所 所長 岸上 順一氏)
  ・S2-6 IPTVフォーラム本格始動(モデレータ: 中村 秀治氏(株式会社三菱総合研究所)、パネラー: 福井 省三氏(株式会社東京放送 執行役員)、関 祥行氏(株式会社フジテレビジョン 技術局役員待遇技師長))

 S2-4では、岸上氏からNTTグループが進めているNGNやひかりTVの事例も交えながら、IPTV普及に向けて何が必要かということを技術的側面を中心にお話くださいました。
 
 S2-6では、IPTVフォーラムの紹介やこれまでの活動などについて、IPTVフォーラムの中心人物であるお三方からご報告がありました(関氏は同フォーラムのIPマルチキャストWG 主査、同じくオンデマンドWG 主査を務められている福井氏、同フォーラム 事務局の中村氏)。特に、IPTVの技術的な共通仕様案(IPTVサービスの受信機に関する技術仕様案)が策定されたことを知ったことは、非常に意義深いことです(勉強不足のため、IPTVフォーラムの存在も、IPTVの共通仕様の策定が行われていたことも、このコンファレンスに参加するまで知りませんでした)。
 
 
 共通仕様(オープンな規格)の必要性は、岸上氏もお話されていました。例えば、プロバイダを変更する度にSTB(セットトップボックス)まで変えていたのではユーザーにとって利便性がよくありません。複数の事業者(例えばアクトビラひかりTV)のサービスを両方とも見たい場合も同様です。
 
 そのため2006年10月に、放送局、家電(主にテレビ)メーカ、通信事業者から70社が参加してIPTVフォーラムが発足し活動を続けてこられた結果、このほど共通仕様案の策定を終えたことを発表されたということです。コンファレンスでは研究報告ということで、IPマルチキャスト、オンデマンドについて、それぞれを取りまとめられた関氏、福井氏からご説明していただきました。ほぼ同じ内容が日経BP社さんのサイトに掲載されていますので、是非ご覧いただくことをお勧めいたします(Tech-On!にユーザ登録することにより全文読めるようです)。
 
  「アクトビラ」と「ひかりTV」を包含する受信機仕様案をIPTVフォーラムが策定(nikkei BPnet)
 
  同じく日経BPさんのITProにも同様の記事が掲載されていますので、リンクさせていただきます(2008年6月19日 追記)。
 
  ・市販TVで様々なIPTVサービス利用可能に,IPTVフォーラムが技術仕様案(日経BP社 ITPro)

 
 
 共通仕様を取りまとめる(取りまとめた)意義を、福井氏が次の3つのポイントであるとご説明されました。
 
  1.市販のTV(受信機)でIPTV仕様
  2.ハイビジョン映像である
  3.2008年中にサービスまたは端末(受像機、STBなど)を出す

 
 ユーザーはこの共通仕様(IPTV仕様)に準拠したTVを購入すれば、(この仕様をサポートする)どの通信事業者のサービスでもつなげられる、例えば引越前と後で事業者違いを気にするといった負担が大幅に軽減されるということです。
 
 IPTVフォーラム発足当初は、IPマルチキャストWGの“おまけ”として見られていてあまり期待されていなかった、と福井氏は謙遜されていましたが、既に運用が始まっているサービスもある中で、共通仕様として一つにまとめられたご苦労に対して僭越ながら深く敬意を表します。おそらく3年後に後ろを振り返った時、あの時まとめておいて頂いたことが大きな利用の拡大につながったと、利用者、サービス提供者(放送局、メーカー、通信事業者)双方から感謝されるものと思います。
 
 
 余談になりますが、2011年地デジ完全移行に向けては、地デジ対応機器(テレビ受像機、録画装置など)導入世帯数が50%弱という現状のようです。あと3年で残り半分の世帯に導入しなければならないというミッションに対して総務省も危機感を募らせているようです。
 
  低所得者の購入を支援 地デジ移行対策骨子(CNET Japan)
 
 
 “地上アナログ放送終了->地上デジタル放送への移行”と“IPTVの普及”は表裏一体の関係にあるように思います。今後もこの件に関しては注目していきたいと思います。
 
 
--- 関連情報 ---
(1) ネットでテレビ、いよいよ本格始動の地ならしか 2008年03月08日 IT屋もりたの今時パソコン日記
(2) ソニーの新サービス「branco」で、今年はIPTV元年か? 2008年04月04日 IT屋もりたの今時パソコン日記
(3) 「NHKオンデマンド」正式発表、12月より配信予定 2008年04月06日 IT屋もりたの今時パソコン日記
(4) NHKオンデマンド、月額1500円程度の見通しか? 2008年05月20日 IT屋もりたの今時パソコン日記
(5) Interop Tokyo 2008 2008年06月12日 IT屋もりたの今時パソコン日記
(6) デジタルサイネージとIPTV(1) - IMC Tokyo 2008/Interop Tokyo 2008から 2008年06月13日 IT屋もりたの今時パソコン日記

投稿者 もりた : 2008年06月15日 02:25 このエントリーを含むはてなブックマーク この記事をクリップ!

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