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2008年05月13日

重ねて提案します、ソフトウェア省(仮称)設置を!

 昨日発生した三菱東京UFJ銀行の新システム稼動開始に伴うトラブルについて、その原因が分ったようです。さらに別のトラブルも発生していたようですが、いずれも既に復旧しているようです。
 
  三菱東京UFJ銀の一部障害、直接の原因は文字コードの設定誤り(ITpro)
  ・三菱東京UFJ銀のATMでゆうちょ銀などに入金できない新たなトラブル、電文仕様の不一致で(ITpro)

 
 
 ここでは、主に前者の記事の内容を受けて、昨日ご提案したソフトウェア省(仮称)の設置について、私の考えを補足したいと思います。
 
  ソフトウェア省(仮称)の設置を提案します(IT屋もりたの今時パソコン日記)
  ・三菱東京UFJ銀行、新システム稼動(IT屋もりたの今時パソコン日記)

 
 上記の記事(前者によると、昨日の朝に発生したセブン銀行ATMにおけるトラブルの原因は、三菱東京UFJ銀行とセブン銀行、両行システム間のインターフェイス・ミスのようです。
 
 具体的には三菱側からセブン側に送るデータ(ATM利用者に表示する案内文)に関して、仕様変更があったようです(従来は漢字を含まないメッセージ・データだったものが、三菱側の新システムでは漢字を含む文字コードに変更)。何らかの原因でセブン側にインターフェイスの仕様変更が伝わっていなかったようです。そのため、何らの変更も施されていないセブン側のシステムが、漢字を含む文字データを処理しきれずエラーとなった模様です。(漢字を含む)「案内文を送る機能を一時的にストップさせる応急処置を講じているもよう」とのことです。
 
 さらに上記の記事では、「不具合の直接の原因は分かったが、根本的な原因について2つの疑問が残る。1つは、文字コードを変更する計画がどうしてセブン銀に伝わっていなかったのか。もう1つは、なぜ事前のテストで文字コードの不一致を発見できなかったのかだ。
 
 
 この指摘のように、障害発生の原因について一つ一つきちんと原因の究明と今後の対応策を講じることが、再発防止に向けて非常に重要であると認識しています。このことに関しては金融庁の指導のもと、三菱東京UFJ銀行が主体的に対応することはもちろんです。
 
 しかし加えて、もっと広範囲の組織を巻き込んだ対応が必要なのではないかと、あらためて感じます。
 
 
 例として上記の指摘の後段「もう1つは、なぜ事前のテストで文字コードの不一致を発見できなかったのかだ。」に限って、ソフトウェア開発の現状(私がソフトウェア業界で働いていた6~7年前までの状況)とともに、ご説明したいと思います。
 


 コンピュータシステム、とりわけソフトウェアの開発において、作業工程の主たる部分である設計、製造、テストの各工程は、人の手を借りることなく遂行することは不可能です。プログラムの設計、プログラムの作成、テストケースの抽出、テストの実施など、部分的には自動的に生成することも可能になってきています(プログラム設計やテストケース抽出作業そのものを、ツールと呼ばれる別のソフトウェアを使って生成するアプローチを採用する開発プロジェクトの増加)。しかしソフトウェア開発という作業の特性上、単純なシステムを除いて完全自動化ということは困難であり、どうしても人手(人間の脳)に頼る部分が残るのが実情です。
 
 人による手作業である以上、どんなに細心の注意を払って作業を行なっても、あるいは作業のチェック・管理体制を強化しても、一定の限度があります。
 
 
 仮にすべてのテストケースを抽出できたとしても、その全てを実施するために開発プロジェクトに許される工数(作業人数×時間)には一定の制約があります。ちなみに今回のシステム変更の場合は、全てのテストケースを網羅・実施することは事実上不可能ではないかと推察します。
 
 従って、実稼動に移行して後、不具合が発見され次第、すみやかに対処する(原因特定、修正、テスト、パッチ・リリース(修正個所のみ再リリース)の繰り返し)というのが、各開発プロジェクトの大方における現状ではないか、と思われます。

 
 昨日申し述べたソフトウェア省(仮称)設置の必要性が、ここにあるわけです。設置の目的(省の役割)としてソフトウェア産業そのものの支援と、国民生活や国の産業全体の基盤であるコンピュータシステムの安全確保ということを述べました。
 
 上記(ソフトウェア開発の現状のご紹介)で述べたコンピュータシステム開発のための支援ツール(プログラム設計・製作、テストケース抽出、テストなど可能な限り自動化し、‘もれ’を最小限に抑える(網羅性の極大化)ことを助けるソフトウェア)の開発等に、予算を付け、行政が音頭をとって企業の枠を超えた、あるいは産学官連携の体制を作ることが求められている、そういう時期に来ているのではないかと思います。
 
 繰り返しになりますが、ただ単に産業界の利益に資することのみが目的ではなく、国民生活やわが国の産業全体を含む、トータルの利益を考えてのことです。政治家の先生方のみならず、さまざまな年齢層、いろいろなお仕事をされているたくさんの方々に向けて、ご提案したいと思います。
 
 
 いつまでも目に見える‘モノ’を最優先とする予算配分ではなく、時代の移り変わりとともに税金の使い途をフレキシブル(柔軟)に変えていく必要があるような気がします。
 
 
--- 関連情報 ---
(1) 三菱東京UFJ銀行、新システム稼動 2008年05月12日 IT屋もりたの今時パソコン日記
(2) ソフトウェア省(仮称)の設置を提案します 2008年05月12日 IT屋もりたの今時パソコン日記

投稿者 もりた : 2008年05月13日 18:12 このエントリーを含むはてなブックマーク この記事をクリップ!

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